鬼高い授業料

■ハードディスクは壊れるもの
■バックアップはこまめに取ろう
■RAID0はもっともリスクの高い構成
(解説1=RAID「レイドとは」、解説2=RAID0「レイド・ゼロとは」。動画編集においてはハイ・スピード、大容量が要求されるため一番危険なRAID0を選択せざるを得ない状況)

わかってる。わかってるけど。。。わかっている・・・はず・だけど。。。
バカは死ななきゃ治らない。いや、バカは高い請求書を見ないと治らない。
鬼高い見積書を見て、今までの自分の行動が走馬灯のように流れる。。。
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いつもはバックアップを取りながら作業を進めていくんですよ。
でも、今回は11、12月と4件の映像制作の仕事が重なってしまい、さらに納期指定されていて。。。
私の請けている仕事は、料金的にも非常にお安いので、「納期はいつでもいいからね。空いた時間で進めてください。」と言われるケースが多いのですが、今回は納期指定があり、しかもかなりの短期間。バックアップを取りながらというのが理想ですが、動画のデータは大きいので、バックアップを取るだけでも12時間とかかかってしまいます。その間作業が止まってしまうので、今回は後回しになってしまいました。
チェック用のサンプル盤を納品したところで、「さて、バックアップとろう」と始めた時でした。

今回はデータ量も大きいので、24時間以上かかるだろうと思い、夜寝る前にコピーを始めました。
朝起きて、コピーが止まっていたので、「あれ? もう終わったのかな?」と思って見てみると、途中で止まっている。どうやらRAIDが認識できていないような。。。
いくつか思い当たることを試みてみましたが、今回は風邪っぴきということもあって、諦め早くPC DEPOTへ。
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まぁ、朝まで動いていたことだし、RAIDの認識はできていないですが、ハードとしては動いていたので、すぐに復旧できるだろう、と油断していました。
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PC DEPOTの「お助けメニュー」の中にある「RAID HDDデータ救出」=33,000円はちょっと痛いけど。
今回はちょっと救出しなきゃいけないデータがあるので。
http://www.pcdepot.co.jp/cm_g/otasukemenu.html
その日は、ディスクをPC DEPOTに預け、復旧できるか?、の調査してもらいます。調査費だけで7,000円。復旧できると分かった時点で残りの金額を支払うというシステム。
復旧できるだろうと疑いもなかったので、その日は7,000円を支払い、翌日、残りのお金を持ってPC DEPOTへ。

すると約束の時間から30分くらい待たされた後、PC DEPOTのお兄ちゃんが神妙な顔で説明を始めました。
「RAIDを組んでいる5台のHDDの内、1台が故障しているのを確認しました。それを復旧ソフトにかけ、RAIDの再構築はできたのですが、ファイルとして読み込むことができず。PC DEPOTではお手上げなので、データ普及の専門の業者に行ってください。」
えーーっ! お前何やったんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!

速攻で復旧できずのディスクを家に持ち帰り、仕事上影響のありそうなところがバックアップ取れているか? 確認。。。
お仕事で使っている映像データは、不完全ではあるが、一部ごめんなさいで許してもらえそうなところまでは取れている。
じゃ、まったくバックアップが取れていないのは。。。
。。。あっ、CBF12の映像が。。。orz…
CBFの映像は8時間x14カメの映像があるので、とてつもなく巨大なんですよね。。。
あーーーあ。脱力。
まぁ、仕事上の映像データも復旧したほうが良いので、データ復旧専門業者を当たってみるか。と。
ググる。
以前もググったことがあり、そういう業者の相場は、だいたい、1TB=10万円~。なんて書かれていて、映像データなんて対象にしていないんですよね。
ここは、バックアップを怠った自分への戒めと、油断していた反省と、今後の勉強もかねて、いざ業者へコンタクト。
電話で問合せすると、すぐにRAIDの専門家につないでくれ、構成等いろいろ質問されました。
PC DEPOTとはやっぱりスキルレベルが違う。
。。。で、電話の後、すぐに築地にあるデータ復旧業者に直接持ち込む。
 
おーーー、入口に空港の保安検査場みたいない金属探知機があって警備員が立ってる。
復旧するデータは個人情報とかもあるから、セキュリティは厳重。
入るとラボみたいなところに、研究員みたいな人たちが。
そしてクリーンルームでハードディスクを分解している。。。
。。。って、ここまでやって復旧してくれるデータが、
腹に「Relax」と書かれたバンドのライブ映像なんですが。。。
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さて、この業者は1時間ほどの調査で、データが復旧できるかどうかの見込みと、見積金額を出してくれます。
一旦預けて、1時間後に再び訪問。
説明と見積もりを聞く。
5台の内1台のHDDが故障している、というところはPC DEPOTも同じ見解。でもこの業者はヘッドまで壊れていて、分解修理作業が必要、との説明までしてくれました。さすが専門業者。

業者「・・・150万円、というのはあまりにも無理な金額かと思いますので、エンジニアを余った時間で作業に当たらせるということで、納期は遅くなりますが、なんとか100万円まで落としました。」
俺「・・・たいへん申し訳ありませんが、この金額はとても無理です。お客さんや仲間にごめんなさいする覚悟もできましたので、今回はあきらめます。」
業者「いくらだったら、発注しますか?」
と、ちょっと交渉の余地を残してくれたので、
・データが動画なので、オフィスデータと違い、普通に大きいこと。
・実際に取り出したいデータは1TB程度であること。
などを泣きながら訴える。
で、その後、社内的にいろいろ掛け合ってくれて、冒頭の金額に。
 
 
業者からすると、通常価格の70%off近い金額なので、年末大特別サービス、っていうところなのでしょうが、
データからすると、素人のライブ映像を復旧させるのに36万円出すっていうのは、どうなの? という話でもあります。
 
自分的に今は、なんだか超越しすぎて、なんかいい勉強になったぁーーー!!!
みたいな晴れやかな気分になっております。
・バックアップは取らなきゃいけない。
・データは分散して保存しなければならない。
等いろいろ技術的にも勉強になったし、なんかこう、一皮むけたっちゅうかぁ。
今までは道楽オヤジがちょっと小遣いもらって映像制作しているっていう感じでしたが、今後はプロとしてちゃんとシステム面も業務レベルのものにしていかなきゃいけないな、とか、精神面で強くなった気が。。。
まぁ、36万円の請求がきたら、その時初めて愕然と後悔するのだと思いますが。
悲惨な年末でした。

あと1時間で年が明ける。
来年は良い年でありますように。。。


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